小熊英二「基礎からわかる 論文の書き方」

 本書は電子書籍で購入したのであまり意識していなかったが、かなり分量の多い本だ。読み進んでも、一向に終わらない。少々くどく感じられる部分もあるが、入門書ということを意識して丁寧に説明しているためと思われる。本書は著者が大学で「アカデミック・ライティング」の講義を担当しており、その講義をベースにしているという。本書自体がかなりアカデミックな内容と言える。著者は本書を「論文の歴史社会学」と言える内容だと評している。論文の書き方の国際比較や、学問体系によって論文の書き方が異なることを概観しているので、著者の説明には頷ける。

 論文の書き方には大きく3つのタイ