稲葉稔 の 武蔵 残日の剣

小学生の修学旅行のバス旅で、当時の国道57号線を熊本市内へ向かう途中、ガイドさんが道の脇にポツンと立つ小さな石碑が宮本武蔵の墓だと紹介してくれたのを思い出す。なんであの宮本武蔵の墓が熊本にあるのか疑問に思った。萬屋錦之介主演の映画「宮本武蔵シリーズ」が上演されていた時代である。武蔵が熊本で没したことを知ったのは山本周五郎の短編「よじょう」を読んだ時だと思う。それ以来、宮本武蔵もいろんな小説に断片的に登場した。岡山県の「武蔵資料館」に行ったり、九州国立博物館での「細川家家宝展」で「五輪書」を見た記憶がある。

57歳の武蔵は天草島原の乱で右足を負傷し、