(4) 芭蕉が最後に残した3句
数ならぬ身とな思いそ 魂まつり
芭蕉は最後の途中、京都嵯峨の落柿舎で寿貞の訃報を聞いた。ここで芭蕉は寿貞が自分に引け目を持ち不幸に生きていたのを嘆き「数ならぬ身とな思ひそ魂まつり」と詠んだ。後悔をするなら、なぜ、俳諧の道を多少は犠牲にしてでも、彼女をもっとかまってやれなかったのか。それが出来てたら芭蕉はもっともっと「人生の達人」だったと思う。しかし、誰にも限界はある。後悔はやむを得なかったと思う。
寿貞という人の身の上はあまり知られていない。ある門人は「師の若き日の妾」と記録に残してい