連載:薩摩よみうり俳句

11月1日(火) 薩摩よみうり俳壇

11月1日(火) 薩摩よみうり俳壇 
  俳句  選者 大川畑光詳

夜に来て朝(あした)出水の鶴となる 霧島 内村としお
 
(評)今年の鶴の初渡来は10月12日で、早朝ナベツル11羽が東干拓に降り立ったのを県ツル保護会が確認したという。ツルはシベリア方面から飛び続けて夜のうちにやって来るという事実に驚く。そんな長旅を経て出水の鶴となり、越冬生活を始めるのだ。揚句には作者の鶴へのねぎらいと親しみの情が感じられる。出水は鶴と人とが共生する希有な土地である。

遺されし盃で干す新酒かな    薩摩川内 満永 泰寛
古式にて隼人港の放生会