連載:故郷の南志見城山物語

能登王朝の楽園期

 古代の能登は常時、北アルプスが屛風のように聳えて見えていただろう。現在は、穴水から和倉温泉に至る国道249号線や能登島から、時々として北アルプスが聳えて見える。

穴水湾から七尾湾に抱えられている能登島と大瀬戸を構成する奥能登内浦の丘陵がたなびく様は楽園だったろう。

正倉院宝物がシルクロード東端の奈良に至るように、渡り鳥や回遊漁も豊富にたどるところが能登半島であり、外浦では海岸に打ち上げられる海産物にも恵まれたといえる。
今も、舳倉島に日本の渡り鳥の半数が飛来している。

江戸時代の天領地・門前海岸ではクジラが漂着すること度々、その争奪