連載:私が登った奈良の山々

「龍王山と万葉集」 死者の慟哭が聞こえそうな山

龍王山(標高586m)は一般のガイドブックには載っていない山で、奈良が好きな私も奈良に暮らすまで知りませんでした。
しかし奈良に住まいを持つようになってからは何度も山の辺の道を歩くようになり、東側の青垣の山々でひときわ高く目についたのが竜王山でした。この山には名前の由来ともなっている田町龍王社がまつられていて、中世には山頂に龍王山城が築かれたという山です。山頂には地図フアンの大好きな二等三角点が埋まり、金剛 ・葛城 ・二上山などに囲まれた奈良平野と、その中に万葉の歴史に歌われた大和三山や邪馬台国の女王卑弥呼の墓と云われている箸墓古墳などを眼下に見ること