流れに棹さす


普段使用している言葉や慣用句の意味を、
誤解している場合があります。
単なる間違いですめばよいのですが、そのために
全く異なる意味が相手に伝わり、思いもよらぬ
弊害が出ることもあります。


例えば「流れに掉さす」という言葉があります。
これは「時流に逆らうこと」ではなく、
「流れに棹をさして水の勢いに乗るように、
時流に乗って物事が好調に進むこと」
を言います。


夏目漱石の「草枕」の冒頭にある
「情に棹させば流される」は、
「自分の感情に逆らって行動すると流されてしまう」
ではなく、
「感情のままに動けば自分