西條奈加 の うさぎ玉ほろほろ

★3.3 シリーズ3作目。前作出版から3年経過しており、すっかり忘れてしまっている。お君と松浦藩士・河路金吾との恋物語が破局となった原因も、治兵衛の前将軍・家斉のご落胤説も。

物語は年が明け、お君は19歳、昨年転がり込んだ職人の雲平は42歳、主の治兵衛はもう64歳である。

南星堂の諸国の菓子を贔屓に通って来る中間の鹿象という男が絡む事件が大きな筋。鹿蔵が地方の菓子に詳しいのは、希望して雇われ参勤交代に加わるからである。最後に判明するが、鹿蔵は木暮周馬という小人目付だった。妹が盗賊一味に巻き込まれ命を落としたことで、仇討をしようと彼らを追って