人生の岐路・わかれ道 音と絵に導かれて

幼い頃から成人期にかけて、私は、音楽も絵画も、大の苦手でした。大苦手の分、憧れも大きかったです。
ある時、友人に頼まれて、旅の途上のミュージシャンを、数日家にお留めしたことがありました。ナイロン弦のギターをポロポロ弾いていると、彼は言いました。
人に向かって歌う以前に、海や山、川に向かって歌ってご覧なさい。歌い切れたら、次は、たったひとりの人に歌ってご覧なさい。ひとりの人に歌い切れたら、あとは、10人、100人の人に歌うことができます。
それで私は、中年になってから音楽仲間ができました。その仲間と年に2回、定期的にコンサートを開いてきました。約12