坂岡 真 の 「うぽっぽ同心終活指南(一)」

★3.5 10年ぶりの新シリーズ初作。初巻だからか、長尾勘兵衛が命を賭ける場面が何度も。根岸肥前や内与力から吟味方に抜擢された門倉角左衛門が影で庇ってくれるのが保険。娘婿の末吉鯉四郎と岡っ引きの銀次も健在で出番も多い。

「島帰り」は水戸藩作事方の男が不正を訴え、小石川の牛天神で勘兵衛の前で自裁した事件。水戸藩の役人の不正を暴き、評判の悪い岡っ引きの伊六と定廻りの高木甚内も。

「月見の味」は川普請を巡る材木石奉行たちの不正。犠牲となる黒鍬者たちの声を表に。勘兵衛が珍しく悪党どもの罠にはまり捕らえられるという危機一髪の展開。

「埋み火」は隠