今だから分かること。

親友がわずか3週間病魔と闘って亡くなった。
緩和ケアはがん病棟の最上階にあり数度会いに行った。
窓の下に広がる桜並木の花吹雪に感じるものがあったらしく「なぁに、ほんの衣替え!」と告げ逝ってしまった。
葬儀が粛々と進む中、唐突に過去の記憶がよぎった。
中学入学まもなく私は彼女からしたたかに殴られたのだ。
無論、彼女は強かったのだが私は親にも手を出された事が無かったので狼狽したのだ。
そのきっかけも忘れているので確か他愛のないことだったろう。
昼食後の解放感は途方もない方向に発展し血に染まった。
誰はばかることなく私は泣いた。
日が傾く頃、