連載:作文

五感ポタリング

あちこちへ自転車の散歩ざんまい。
東にあじさい、西にもあじさい、南にラベンダー、北には利根の川風

権現堂堤では白や紫のさまざまの色のあじさいを愛でるは風情あり。
土手をゆるやかに登りくる風は肌にやさしく、耳にはその音が心地よい。
あじさいの香りはしないけど、鼻先をくすぐる風にはかすかな草の匂いする。
望まない匂いは腹わたを刺激するほどに茶店横で焼く団子の煙。

小さな騎西城あたりをミニベロ自転車ころがして、あじさいロードの白花をみて進む。
人力車とのすれちがいに道をゆずると車夫がニコリして礼をいい、上のお客は気取りのない無表情で、対照