若いころならともかく、ある年齢になり経験を積んできて思うことは、冒頭に書いたこと、心配事のほとんどは杞憂に過ぎなかったということだ。
そして、おなかが痛くなるほど、頭痛するほど心配していたことが実際には起きなかったという振り返りを、われわれは忘れる。のど元を過ぎればなんとやらで、心配が去ってしまうと、心配していたこと自体を忘れてしまう。だからまた心配事にとらわれることを繰り返す。
どうして心配ばかりするのかというと、自己保身の心があるからで、将来おのれを脅かす要素が心配のネタになる。ほんとうにそれが高い確率で起きるのかどうかは問わずに、自分の
連載:日常2