東北道赤い木の実のナナカマド



 保線夫の昼餉の円座木の実落つ  錯木恭子

 木の実落ち石に温みの座りぐせ   加藤はま子

 手箱の木の実繋いで首飾り  アロマ

 木の実落つ猿ゐるかと思ふほど   萩谷幸子

 時折に木の実降りくるカフェテラス  神原操

 吾子はドングリ拾って瓶に詰め  アロマ

 眠る児の掌よりこぼれし木の実かな  高橋瑛子

 たちまちに木の実時雨を誘ふ風  稲畑汀子

 温かき落葉の中の木の実かな 沖増修治

 木の実落つる音に目覚めしログハウス 山口順子

 武蔵野の万の木の実を踏み帰る  柿沼盟子