連載:孫日記

「爺様は蕩けるような笑顔で話し掛けて来た。」

「ボク、頑張って歩くんだよ」
自転車に乗ってやって来た爺様が自転車を降りて話し掛けて来た。

「駅に向かうバス停は何処かわかりますか?」
市民プールの帰りでバス停を探していた。すると娘が言った。
「あっ、向こう側だ!」
私達は橋を渡って左に曲がったが、右側にバス停の屋根が見える。

また歩き出した。爺様もそのまま付いて来る。弟クンは疲れたのか、バス停のコンクリートブロックに腰を下ろした。

「目がくるんとまん丸でホントにカワイイねぇ。お兄ちゃんもキリッとしてカワイイ」
爺様は蕩けるような笑顔で言う。

この笑顔に前日の笑顔が重な