最初読みにくい小説だと思った。だが惹かれる。買った理由は、作者が宇佐美りんだからだ。『推し、燃ゆ』で芥川賞の。
『かか』は『推しー』とは全く文体が違う。だが、両者とも独特な観察眼と圧倒的な語彙力は共通している。
描かれているのは家族。一見家庭は崩壊しているように見えるが、濃密に繋がっている。
父親は浮気し家を出て行き、夫に捨てられた母親は精神を病み、時々しか登場しない祖母もまた母親の姉を溺愛し、母親の精神を破壊してしまう一因になるような壊れ方をしている。
主人公「うーちゃん」は19歳の浪人生。何処にも心安らぐ場所などないように見え
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