『ひとり駅』

ここは、どこだろう。そう思えるような場所だ。
最寄りの駅から、何も考えずに乗ってしまった。
そして、思わず降りてしまった。
ホームには、私以外、誰もいない。ちょっと冷たい風が、吹いている。まだ、秋になったばかりなのに。
無人駅の改札を抜けて、駅前に出てみた。
ここにも、誰もいない。
目の前に、不思議な形の小山が見える。かなり、紅葉している。ここの秋は、もっと早くに始まっていたらしい。
私は、心の中で、秋をありがとうと言ってみた。
聞こえたかな、あの山に。

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