連載:俳句帳

10月の俳句帳(126)令和五年10月30日

1)草木染め夜なべの土間で砧(きぬた)打つ

2)鶲(ひたき)啼く斑鳩(いかるが)響く法隆寺

3)陽射し岸視界飛び込む黄鶺鴒(きせきれい)

4)秋翡翠(ひすい)川面ターンで残る蒼

5)未だ残る稲架(はざ)掛け日干し里棚田

6)お釜載せ里の竈(かまど)の零余子(むかご)飯

7)秋雨や甍(いらか)打つ音野辺の夜

8)弦の音に咽(むせ)ぶ秋霖(しゅうりん)ショパン曲

9)庭木戸を鳴らすは誰ぞ雁渡し

10)鄙(ひな)の旅土産パックのとろろ汁

11)羊羹(ようかん)の舌にほぐれて茶会秋

12)摺る墨の