七番目の不思議

 今村昌弘の「でぃすぺる」を読了した。著者はミステリー作家で、「屍人荘の殺人」で第27回鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしている。本書は、敬愛する従姉の死の真相を解明しようとする小学生の少女と、彼女に協力して七不思議の謎に挑戦する二人の小学生の姿を描いた、少しオカルト風のミステリーである。なお、タイトルのでぃすぺるとは、「追い散らす」や「(闇などを)晴らす」を意味する英語の単語である。
 本書の視点人物は、奥郷町の小堂間小学校六年生の木島悠介(ユースケ)である。物語は小学生最後の夏休みが終わり、二学期開始の直後に始まる。ユースケは、夏休みに心霊写真撮影