「今村昌弘」の日記一覧

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七番目の不思議

 今村昌弘の「でぃすぺる」を読了した。著者はミステリー作家で、「屍人荘の殺人」で第27回鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしている。本書は、敬愛する従姉の死の真相を解明しようとする小学生の少女と、彼女に協力して七不思議の謎に挑戦する二人の小学生の姿を描いた、少しオカルト風のミステリーである。なお、タイトルのでぃすぺるとは、「追い散らす」や「(闇などを)晴らす」を意味する英語の単語である。  本書…

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著者別インデックス:国内(今村昌弘)

1.屍人荘の殺人 (2017.10)   https://smcb.jp/diaries/7550154 2.魔眼の匣の殺人 (2019.02)   https://smcb.jp/diaries/7968671 3.ネメシスⅠ (2021.03)   https://smcb.jp/diaries/8569825 4.兇人邸の殺人 (2021.07)   https://smcb…

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廃墟のマッドサイエンティスト

 今村昌弘の「兇人邸の殺人」を読了した。著者は「屍人荘の殺人」で第27回鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしたミステリー作家である。本書はミステリー・ランキングを席巻した「屍人荘の殺人」のシリーズ第三作であり、班目機関の生き残りの老研究者が隠れ住むと言われる、廃墟テーマパーク内の館で起こった連続殺人事件を描いたミステリーである。なお、本書の登場人物で、第一作およびその続編の「魔眼の匣の殺人」と共通…

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空間没入による名推理

 今村昌弘の「ネメシスⅠ」を読了した。著者はミステリー作家で、「屍人荘の殺人」で第27回鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしている。本書は、広瀬すずと櫻井翔の主演で、日本テレビ系列で放映されている連続TVドラマ「ネメシス」の脚本協力として書かれたミステリーの中編集であり、TVドラマの第一話と第三話に対応する内容である。物語の舞台は、横浜市中区伊勢佐木町にある、「探偵事務所ネメシス」であり、主要登場…

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【映画】屍人荘の殺人

 映画本編の前にこれでもかと流される宣伝や、テレビでの予告CMを見ていて、年末に軽いテイストのミステリー映画を観ようと思って映画館に足を運んだ。  期待したように、大学の学食のシーンからコミカルに話が始まった。  ワトソン役の主人公(神木隆之)と名探偵役の先輩(中村倫也)が、美少女探偵(浜辺美波)と推理バトルをコミカルに展開していく。  そんな映画なのだろうと、予告CM通りのイメージでスクリ…

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匣に住む予言者

 今村昌弘の「魔眼の匣の殺人」を読了した。著者は「屍人荘の殺人」で第27回鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしたミステリー作家である。本書はミステリー・ランキングを席巻した「屍人荘の殺人」の続編で、予言者の予言を裏書きするように起こったクローズド・サークル殺人事件を描いたミステリーである。なお、本書の登場人物で前作と共通するのは、名探偵役の剣崎比留子と、語り手でワトソン役の葉村譲のみである。なお、…

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ゾンビに囲まれた山荘

 今村昌弘の「屍人荘の殺人」を読了した。著者は本書で第27回鮎川哲也賞を受賞して作家デビューしたミステリー作家であるが、現時点ではフリーターであることしか明らかになっていない。本書では、バイオテロによりクローズドサークル化したペンションで起こった連続殺人事件が描かれる。  関西にある私立大学の神紅大学経済学部一回生でミステリー愛好家のの葉村譲は、入部を希望したミステリ研究会のレベルの低さに失望し…