チャイコフスキー の交響曲第6番「悲愴」をムラヴィンスキーの指揮で聴く

2022年11月以来の鑑賞。
第1楽章のアダージョの序奏からして、すでにムラヴィンスキーの「悲愴」だ。深々とした芯の太い、そして揺るぎない構成のしっかりしたオーケストラの響きは曲の冒頭から聴くことができる。暗く、重く、寂寥感が漂い、骨太で構成が強固だ。主部では感情の高揚が劇的だ。
第2楽章はいかにもロシアの音楽だ。雰囲気は楽しそうだが、ふっと不安を感じさせる気分、寂しげな表情が顔を覗かせる。演奏は弛緩することなく緊張感が常に漂う。
第3楽章は行進曲風のフレーズが幾度となく現れるものの、輝かしい勝利への行進ではなさそうだ。背後には、苛立ちや、落ち着か