熱燗や徳利の模様懐かしく



 熱燗や日頃無口が堰をきる  丹生をだまき

 仏人の夫婦熱燗所望せり 木暮剛平

 熱燗や鯛の兜煮子が作り 詫摩まつ子

 熱燗や返らぬ日々の童唄 木下忠雄

 熱燗美味し肴は柿の種  アロマ

 熱燗や残年がもう楽しくて  守屋井蛙

 熱燗や関西弁の鍋奉行 竹島勝代

 熱燗や竹筒にある節ぢから 加藤峰子

 熱燗や酒に料理に一家言 中原敏雄

 熱燗や鬼平しのぶ店にをり  三羽永治

 熱燗や四十二階のビストロに 木村茂登子

 火鉢でスルメイカ炙り熱燗で  アロマ

 熱燗や母も夫もはや眠