連載:相続トンネル

DIY相続トンネルに突入

全部お任せであの世へ行ってしまった母に言いたい。
・暦年贈与はずっと前から始めて欲しかった。
・付き合う金融機関は半分にして欲しかった。
細かい単位まで記入された母愛用の出納帳を眺めて、日々の倹しい暮らしを思い、一方で支払い予定の相続税見積額との落差にめまいがする。戦争に青春を送った世代である母は、自分のために贅沢をすることができず、子供にも散財のやましさは植え付けられているのだが、それにしても。

せめて晩年の家を過ごしやすくリフォームしたらと奨めても、勿体ないからやめておくと言い、旅に誘っても行きたくないと断り、もっぱらご近所付き合いに日々