連載:作文

東京けんぶつ-with 14inch

人の波、車の波。
心しずかにペダルふむ埼玉のいなか道とは大ちがいの6号線を走れば心はまさにおどりだす。
われも今や東京人になりすまし、浅草駅から蔵前へグングンと走りだして、やがて着いたは懐かしき神田の古本屋どおり。
平日なのに文学ふうの顔したおっちゃんや女性の姿をみるも楽しい。
これら本マニアの人たちは身なりが地味だが、「宝本」を探す目は輝いて、その横顔からは知性の空気がただよってくる。
いっぽうのわたしは、派手はでの14インチダホン(自転車)をころがして、今では本など買わない目はうつろな東京の観光客。
それでも、一軒の古書店の大きなウインド