光る君へ② ~ めぐりあい

母の死から六年が過ぎ、15歳になったまひろは成人を祝う裳着(もぎ)の儀式を迎えた。
父の為時は相変わらず、藤原兼家から禄を得て東宮に漢文を教えている。
学問の才を生かして出世したいと願い続けているが、
官職は得られないままだ。
まひろは為時に反発し、この6年間まともに口をきいていない。

兼家一族の三兄弟は順調に道を進んでおり、
三郎改め藤原道長は従五位下・右兵衛権佐と言う位を得ている。
道長の姉・藤原詮子は皇子を産んだが、
すでに円融天皇との仲は冷えきって居た。
関白家の娘・藤原遵子には子がなかったが天皇は遵子を中宮とした。