孤独ではない

キリスト教徒時代の神は
一生懸命に祈ったりしたときにはいるのだけど、
そうでないときには私の心からいなくなった。

寝ているときには意識がないのだから、
そのときも神はいない。

そういう神だった。

しかし、いまは違う。

湿った温かい皮膚を触ると、
そこに神のはたらきが感じられる。
口と鼻で息が出たり入ったりしているのは
神のはたらきそのものだ。

夕食で食べたものは胃や腸で消化吸収が行われている。
尿や便となって排泄も行われた。

口は話をしたり笑ったり
歌を口ずさんだりしている。

部屋の中を歩きまわる