藤井邦夫 の 流人船 新・秋山久蔵御用控(十八)

★3.3 新シリーズ18作目。
「由松命」はしゃぼん玉売りの由松の幼い頃が絡む物語。

茅町の料理屋・若柳の通いの仲居・おすみが帰路に襲われ殺された。おすみの左の二の腕には由松命という古い刺青があった。だが、仏の顔を拝んだ由松には心当たりはない。おすみの過去を調べていくうちに、深川仲町の岡場所・松葉屋にいたことが分かった。子供の頃に女郎屋に年季奉公に出されこき使われた後、女郎にされて生きてきた女だった。

由松はそこは己が12歳の頃に深川の豆腐屋に奉公に出され、その界隈に配達していたことを思い出した。

おすみは店の者に叱られ泣いていた時に、励まされ塩む