哀愁チョコレート

『苦いねえ』
『そう、それほどじゃないと思うけど』
『いや、かなり、苦い』
『忘れてたわけじゃないんだけど』
『嘘つけ』
『うん、嘘ついてた』
『そう、あっさり言われてもなあ』
『14日誕生日の子がいてさ、朝まで飲んでた』
『じゃあ、これは、哀愁チョコレートってことにしておく』
『何、それ、でも、まあ、いいってことだよね』
ちゃっかり彼女にあっては、まじめ彼も、形無しって感じかな。

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