クレンペラー指揮で聴くベートーヴェン の交響曲第5番・第8番 エグモント序曲

2022年7月以来の鑑賞。
交響曲第5番。
クレンペラーのテンポはゆったりとしたもので、音楽は悠揚迫らざるものだ。この演奏に込められたエネルギーも尋常ならざるものがある。巨匠クレンペラーの姿が第1楽章ですでに見え始める。
第2楽章も聴いていて遅いとは感じない。安らいだ気分の楽句が多いが、このテンポによって安らぎはより増幅されているかもしれない。クレンペラーの中にある優しさや寛容性の一端に触れた気がする。
第3楽章は表記にはないがスケルツォ。蠢くような低弦の響きとホルンの掛け合いはクレンペラーの指揮によって音楽に立体感をもたらす。後半の木管の響きの豊かさは