剣と魔法の世界の殺人

 貫井徳郎の「龍の墓」を読了した。著者は、ミステリー作家で重厚な作風で知られ、2023年より日本推理作家協会代表理事を務めている。本書は、VRゲーム内の殺人事件を見立てた連続殺人を描いた、一種の警察小説である。
 元警察官の瀧川は、警察を辞めた後は家に引き籠もり、VRゴーグルを装着してオープンワールドのRPGである「ドラゴンズ・グレイブ」をプレイする毎日である。剣士アリエスとなった瀧川はまず透明な一角獣を倒し、クリスタルの角を奪う。続いてアリエスは、特別な剣を鍛えるための炉を作るために、迦具土石を探し当てる。
 東京の町田市の郊外の空き地に置かれたドラム