名ピアニストポリーニの訃報に接して

朝刊で、ポリーニの訃報に接した。驚きよりも悲しみが沸き上がった。
音楽を聴き始めてから、最も多く聴いたピアニストはポリーニであっただろう。おそらく最初に聴いたポリーニの演奏はこのLPであったはずだ。2017年12月以来の鑑賞だ。
ピアノ協奏曲第23番。
何度聴いたか知れないLP。しかし、聴くたびに新しい発見とこの音楽に接する喜びがある。ベームの指揮は絶妙のテンポであり、ポリーニのピアノは一音たりとも無駄がない。軽やかでありながら質感があり、流麗でありながら気品がある。カデンツァにおけるポリーニのピアノは技巧の確かさは言うまでもないが、響きの透明度の高さと