ベートーヴェン のピアノ協奏曲第5番「皇帝」他をワイセンベルクのピアノで聴く

ピアノ協奏曲第5番「皇帝」。
第1楽章は独奏ピアノがカデンツァ風な演奏を披露した後、第1ヴァイオリンが第1主題を奏でる。この楽句は堂々としていて印象深い。解説書に譜例も掲載されていて、その素晴らしさを感じる。第2主題も併記されている。2つのテーマを軸に目と耳で演奏を味わう。ワイセンベルクのピアノは華やかであったり陰影を帯びたものであったりと変化と起伏に富む。カラヤンの演奏にどことなく底の浅さを覚えるのとは対照的だ。
第2楽章の開始は弱音器をつけた弦によって主題が静かに現われる。アダージョの音楽は前述のテーマの変奏曲だろう。ここでのピアノは優雅にして柔和だ