黄道十二宮の星座たち

 法月綸太郎の「犯罪ホロスコープ-本格推理小説Ⅱ-三人の女神の問題-」を読了した。著者はミステリー作家で、いわゆる新本格派の代表的作家である。本書は、黄道十二宮の星座をモティーフとした連作短編集の第二作である。本書は「法月綸太郎」シリーズの作品であるが、ここでいう「法月綸太郎」は著者の法月綸太郎により創作された、推理小説作家で名探偵の「法月綸太郎」という人格である。
 「宿命の交わる城で-天秤座-」:五月も終わりのある日、法月警視が息子の綸太郎に相談を持ち掛けるが、父親が担当する二件の殺人事件の現場にそれぞれタロットカード置かれていたと言う。いずれの絵柄