5月1日から15日までに読んだ本

①夜明け前 第1部(下) 島崎藤村 岩波文庫
 黒船の来航から、日ごとに世の中が変わっていく様子が、木曽路に生活する人々の様子を中心に描かれる。物語の進展は、まるで、幕末の様子を日本史の教科書で追いかけるようでもあった。戊辰戦争から、廃藩置県、大政奉還、そして王政復古とダイナミックに日本が動く様子が、淡々とした文章で描かれる。

②十万分の一の偶然(松本清張 文春文庫)
 新聞の「読者のニュース写真年間最高賞」を獲得したのは、東名高速道路で発生した自動車の「激突」による凄惨な報道写真であった。賞杯、賞状、副賞百万円が撮影者である山鹿氏に授与された。氏は