思い出の京都~~京都迎賓館 12

藤の間の壁面装飾の「麗花」は、日本画家の鹿見 喜陌氏の下絵を基に綴織りの技法を用いて制作された織物で、縦3.1m、横16.6mです。
これは川島織物が制作しました。入社以来、40年にわたって綴れ織りに従事してきた井上光二さんが担当しました。
原画の繊細な雰囲気を壊さないよう、西陣織の特徴を伝えられるよう、専門家を交えた検討会を約20回開いて色や織りを決めたそうです。染めた糸は400色。それを混ぜ合わせ、最終的には1000色になったようです。
花の部分にも増して苦労したのは地模様の表現でした。ススキや流水の地模様は、はじめは描かれておらず、後から加わりました。画面の主役は花。ススキの細い線を描く時は、横糸を柄の境目で折り返すときにできます、綴織り独特のすき間を利用しました。花を引き立てながら、画面に奥行きを出すためでしたと井上さんは語りました。

撮影:2018(平成30)年12月13日

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