梅雨になって 紫陽花も揺れている 花もやがては枯れ落ちる ドライフラワーにして恋の面影を留めても そのドライフラワーさえ退色して行く やがて消え行くわが身なら 恋をしたとてなんになろう やがて消え行くわが身ゆえ 恋の花を咲かそうか 過去を愛しく思うより 潔く捨てようか 失くしたものに執着しても何になる 花はいつかは枯れるもの それでも 輝い…
肩寄せてムーミンとゐる春の暮 小澤徳江 絵の中のわれに似し人春の暮 涼野海音 豆腐屋のチャルメラ流る春の暮 神山市実 気がつけばまだ明るくて春の暮 稲畑汀子 田舎道長閑に帰る春の暮 アロマ 春の暮優しい時めき胸にして アロマ うどん屋の隅に落着く春の暮 今野節子 帆船が影絵の距離に春の暮 牛田修嗣 梵鐘の音の溶けゆく春の暮 森紀子…