連載:音楽と日常

ドライフラワー

梅雨になって
紫陽花も揺れている

花もやがては枯れ落ちる
ドライフラワーにして恋の面影を留めても
そのドライフラワーさえ退色して行く

やがて消え行くわが身なら
恋をしたとてなんになろう

やがて消え行くわが身ゆえ
恋の花を咲かそうか


過去を愛しく思うより
潔く捨てようか

失くしたものに執着しても何になる
花はいつかは枯れるもの

それでも
輝いた時を覚えている
その記憶こそが愛おしい
だから狂おしい

記憶が消えるまでは
一緒に漂う

そのもどかしさに流される