◆グレるなら徹するべし 21日（土）の晩にBS12で放映された際にリアルタイム視聴。初見。 汚職まみれの職場やうだつの上がらぬ待遇、荒み切った日常に倦み疲れているラスベガス署のふたりの警官が、ふとしたきっかけで発見した麻薬組織の隠し金庫の中身をかっさらおうと画策するハードボイルド・ピカレスク犯罪サスペンス。 人の好い初老の刑事にニコラス・ケイジ、流されがちなその後輩にイライジャ・ウッドという顔…

◆愛は独占欲、支配欲と不可分であるか？ 11日（土）の晩にBS12で放映された際にリアルタイム視聴。初見、原作（ヒット舞台劇）も未見。 ロンドンで4人の男女（小説家志望の窓際記者、NYから来たストリッパー、×イチの女性カメラマン、無聊をかこつ皮膚科医師）が出会い、そこに展開する愛と嫉妬と黙秘とかけ引きの四角関係、はたまた抜き差しならぬ卍模様の顛末を描くアダルトなロマンス・ドラマ。 今はもっと単…

◆テキサスが銃天国で良かった？　楽しい地獄巡りツアー 13日（土）の晩にBS12で放映された際の録画を、昨晩（18日・木）消化。初見。 人がゾンビ化する疫病が世界に蔓延、例によって歩く死者たちに覆われてしまった北米大陸をさまようわずかな生き残り一行のスチャラカな冒険の旅を描くバイオレンス・ホラー・コメディ。 こりゃまた、ふっざけた映画やなー（苦笑）！　わが国におけるゾンビ映画ムーブメントの嚆矢…

◆死線をくぐった若者のピュアで苦い従順さ 昨夜（16日・土）、BS12で放映されたのを、リアルタイム視聴。初見、原作（画像3）未読。 2004年、テキサスから心ならずもイラク戦争に送られ、激しい銃火に巻き込まれた上官を救うべく必死に応戦する様を偶然カメラにとらえられて、報道を通じ一躍国の英雄となった19歳の少年兵ビリー。分隊もろとも一時帰国させられ、各地の戦意高揚イベントにかり出された彼に故郷…

◆「あきらめ」の虚無感に支配された映像詩 21日（土）の晩にBS12で放映された際の録画を、昨晩（25日・水）消化。初見。 '60年代サウスダコタの田舎町、ごみ収集員の若者がご近所の女子中学生を見初めるも、少女の父親が交際を許さなかったために起こる悲劇・惨劇のランナウェイ。'50年代にネブラスカで実際に起こった事件をモデルにしたという犯罪ロードムービー。 今はなき歌舞伎町の「シネマスクエアとう…

◆SF映画ジャンキーの好物 14日（土）の晩にBS12で放映された際の録画を、昨晩（15日・日）消化。初見。 近未来、通信が途絶気味な月の裏側でただひとり、地球の産業と市民生活を支えるエネルギー資源の採掘・発送に従事している技術者は、単調な毎日と孤独に倦み、疲弊。独占企業との三年契約の満了間際、地球に残した妻の幻覚まで見るようになったあげく、事故を起こしてさらに奇怪なものを目にした彼の運命を描…

◆誰が殺したクックロビン 昨晩（7日・土）BS12で放映されたのを、リアルタイム視聴。以前に半分くらい視ていたが、後半・結末は今回が初見。 ケネディ合衆国大統領暗殺（1963年11月、テキサス州ダラス）がオズワルドひとりの犯行と断定されたことに疑問を抱いた現地のギャリソン地方検事らが、執念の捜査結果から組織的犯行を疑い、陰謀の中心にいたと目された人物の裁判を起こした経緯を描く現代史ミステリー。…

◆覇者に安心の日は無い 8月3日（土）の晩にBS12で放映された際の録画を、昨日（16日・土）の午後にやっと消化。初見、ジョン・ル・カレの原作「パナマの仕立て屋」（画像3）も未読。 素行の悪さが災いしてパナマ共和国に左遷されてしまった英国MI6の諜報員が、手柄欲しさの強引な情報収集活動に現地で開業しているワケありの英国人仕立て屋を巻き込んだことから、米軍が撤退し共和国に返還されたばかりの運河の…

◆「神話」の微妙なさじ加減が世知辛い 7日（土）の晩にBS12で放映された際の録画を、昨日（15日・日）の午後に視聴。初見。 ハーバード在学時代に当時19歳のマーク・ザッカーバーグらが立ち上げたSNS、facebookの爆発的な大成功の陰で起こっていた関係者の葛藤を描く実録ドラマ。 興味尽きない大長編会話劇ではある。セリフの情報量が驚異的に多く、尺以上の「聴きごたえ」を感じる。ここで造形された…

◆手段を選ばぬ米国の対狂信テロ戦 4月12日（土）の晩にBS12で放映された際の録画を、昨日（28日・日）の午後に視聴。初見、原作も未読。 中東でイスラーム系国際テロ組織の指導者を捕獲すべく、最前線で体を張って暗躍するCIA工作員、祖国の最も安全な場所からハイテク衛星で監視しながら彼に指令を下す非情の幹部、現地の第五列を束ねるヨルダン情報部の大物、身の周りのどこにいるかわからないテロリストらが…

◆毒には猛毒を、無法には非情で 先週土曜日（6月29日）の晩にBS12で放映された際の録画を、昨夜（4日・木）視聴。初見。 '70～'80年代に世界で暗躍した実在の殺し屋にしてテロ専門家"ジャッカル"ことカルロス（画像3）抹殺のためにCIAとモサドが行った奇想天外な作戦と、それに巻き込まれた米海軍士官の運命を描くエスピオナージ・サスペンス。 本作の場合、どのくらいが実際にあったことなのかまった…

◆NYの背中や足の裏 先週の土曜日（22日）にBS12で放映された際の録画を、昨夜（27日・木）視聴。初見。同じ小説を原作とした最初の映画版「サブウェイ・パニック」（1973）は、当時劇場（確か二番館だった）で観た。 武装強盗一味がNYの地下鉄車両をハイジャックし、乗客十数人を人質にとって市に大金を要求。非情なボスと運行指令室職員の息詰まる交渉を描く犯罪アクション。 この話（原作は犯罪小説）、…

◆闘う天使、われらおたくの大好物 先週の土曜日（1日）にBS12で放映されたのを、ほぼリアルタイム（放映中の録画追いかけ再生）で視聴。初見。 北極圏に近い隔絶された森林地帯に父親と隠れ住み、ひたすらサバイバルと戦闘の訓練だけを受けて育ったミドル・ティーンの少女が、自分らが潜伏せねばならなかった事情を握る情報局に追われ、決死の対決を迫られるジュブナイル・サスペンス。 そんなタームがあるかどうかわ…

◆突飛な嘘ほどディテールが肝心 昨年11月中旬にBS12で放映された際の録画データをHDから発掘し、昨日（1日・土）午後にようやく消化。初見。 ホメイニ師率いるイスラーム革命が成った1979年の末、テヘランの在イラン米国大使館が反米暴徒に踏み込まれ、占拠された際にあわてて逃げ出し潜伏した6人の外交官を厳戒下で国外に脱出させるため、CIAが行った奇天烈な救出作戦の顛末を描く実録サスペンス。 実際…

◆老優に泣く良心のドラマ 昨夜（4日・土・祝）BS12で放映されたのを、リアルタイム視聴。初見。 1951年、無邪気なノンポリ青年なのに赤狩りの標的となり、業界追放の憂き目に遭ったハリウッドの若手脚本家が、ヤケになって交通事故を起こした末に思わぬ運命をたどるヒューマン・ドラマ。 昨年観た「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」（2015）　https://smcb.jp/diaries/782…

◆名優の本領！ 12日（土）の晩にBS12で放映された際の録画を、昨晩（19日・土）に消化。初見。 イラク戦争が勃発した2004年、戦場から帰国して間もなく部隊から失踪してしまった息子の行方を父親が追ううちに、徐々に派遣米軍の任務の実態、現地の実情を目にすることになる。実際に起きた事案に基づくとされるミステリー。 主人公、硬骨の退役軍人である父親を演じたトミー・リー・ジョーンズに尽きる。その執…

◆スリラーの成否は「おびえる名花」次第 先月下旬（27日・土）にBS12で放映された際の録画を、土曜日（3日）の晩に消化。なぜか始まりに見覚えがあったのだが、どうやら初見（苦笑）。本作のオリジナルである「ダイヤルMを廻せ!」（1954）は昔TVで視たはずだが、その記憶もすでに薄い。 NYで経営している会社が破産危機に瀕している投資家社長が、すでに仲は冷えきっている美しい資産家妻から「遺産相続」…

22日（土）にBS12で放映された際の録画を、昨晩（27日・木）消化。初見。シリーズの前2作は、劇場とTVで見ている。 '60年代からやって来たおバカなのにモテモテの英国スパイが、小惑星を地球にぶつけて壊滅させようと企むおバカな宿敵と対決する喜劇シリーズ第3弾。 還暦の自分としては、'60年代～'70年代初頭の、主に米英の数々の映画、風俗、ファッション、音楽、アート、ポップカルチャーのイメージの…

10日（土）にBS12で放映された際の録画を、昨晩（20日・火）に視聴。これが初見、原作未読。 '69年、ブロンクスの精神科病院の「嗜眠性脳炎」患者専門病棟に新任した医師が、少年時代の発病以来何十年も「眠って」いる患者レナード・ロウにパーキンソン病の新薬による治療を試みた、その実際の顛末を記録した医療ノンフィクションに基づくドラマ。 R.デニーロの凄み、ここに極まる！　内容も衝撃的で「感動した」…