「小池真理子」の日記一覧

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1月16日から31日までに読んだ本

①博士の愛した数式(小川洋子 新潮文庫)  奥付を見ると平成18年10月15日21刷とある。自身の蔵書印も押してあった。2006年以降に読んだことになるが、読書記録は残していなかった。この本を読もうと思ったきっかけは先日読んだ小池真理子の対談集による。  読みながら、やさしく、柔和で、しなやかながら芯のある文体だと何度も感じた。記憶が80分しか持たない博士は数学者だ。普段の生活は、義姉が見て…

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1月1日から15日までに読んだ本

①闇夜の国から二人で舟を出す( 小池真理子 新潮社)  2005年10月30日発行。2019年3月以来の再読。内容の大体は記憶にあった。新聞や、月刊誌、週刊誌などに掲載された著者のエッセイを一冊にまとめたもの。軽井沢の自然や、そこでの暮らしをはじめ、創作への意欲が掻き立てられる瞬間、あるいは、恋愛について、年を重ねるということいついて、語りかけるように綴る文章は、大変に読みやすい。  著者の…

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愛なのか嫉妬なのか

 小池真理子の「アナベル・リイ」を読了した。著者は直木賞作家、エッセイストで、小説家としてはミステリー畑の出身であるが、現在は恋愛小説がメインである。本書は怪奇幻想小説であり、語り手の女性が経験した、彼女の亡くなった親友が引き起こした怪奇現象を描いたものである。  本書は、還暦を過ぎた悦子という女性が書いた彼女の体験の回想であり、「手記とも記録ともつかないもの」という形式を取っている。  久…