「永井路子」の日記一覧

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永井路子 の 望みしは何ぞ―王朝・優雅なる野望

藤原道長の高松系(明子)の3男である能信(995-1065よしのぶ、最終権大納言)を通じ、道長政権下における鷹司系(倫子)との確執と、道長亡きあとの院政へ傾斜していく流れを描く。 どうしても正室である倫子の子たちは男は頼通、教通と出世は早く、女はみな妃として入内していく。それに対し高松系の男は長兄は出家し、他も出世が遅く、妃となった女もいない。これは明子の父・源高明が藤原氏の策謀にあって…

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永井路子著「炎環」再読。

本を整理していたら、「炎環」を発見。 読んだのは三十年くらい前のはず、 ページをめくると、どんどん引き込まれて行く。 今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観ているので、なおさら面白い。 4つの短編でなりたっている。 全成やその妻の保子、梶原景時、北条義時などがおもな主人公。 鎌倉幕府が立ち上がったばかりのころが舞台の小説です。 クライマックスの後鳥羽上皇との戦いは読みごたえがありました。 若い頃…

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コミュニティ 茨城古河に行ってみた😊

茨城の古河に行きました 思ったより遠く、最寄駅から電車で2時間 のぞみで新横浜から京都間と同じ時間 晴れ女の私、今回もいいお天気☀️ お城は無くなっているけれど名残はある あちこちの道は石畳み 🏯から移築した土蔵に入れたり、 貸しスタジオになっている一角で早めのランチ あれ🙄 ポツポツ 🌧 ⛈☔️ ⛅️ ザザぶりで樋から雨が溢れている でも、ランチが終わる頃には晴れ間が🤗 永井路子の生…

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永井路子 の 王朝序曲―誰か言う「千家花ならぬはなし」と〈上下〉

★3.5 藤原氏の中核をなした北家の隆盛を築いた男・冬嗣の眼を通して平安初期を描く。北家にあって駆け出しの若き父、渡来系の母から生まれた冬嗣が、いかなる才能を持ち、いかなる幸運を掴んでトップに上り詰めたのか。そして、平安期を通して恐れられた怨霊思想はどうして生まれたのか。 《上巻》 奈良朝末期に称徳女帝死後の皇位争いで、廃れ皇子の白壁(光仁天皇)を担ぎその皇子・山部(桓武)を皇太子に据えたのは…

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永井路子 この世をば 上下

★3.7 藤原道長の生涯、王朝三部作の1つ。 《上巻》 物語は22歳の道長が左大臣・源雅信のひとり娘・倫子の婿となるところから始まる。摂政・藤原兼家の正室の末子(3男)として生まれ、同母姉の詮子は円融天皇の室として東宮(後の一条天皇)を産んでいる。 兼家の全盛時代でもあり、末っ子ののほほんとした姿が描かれ、同母兄の道隆や次兄の道兼の目覚ましい出世で目立たない存在。歌の才はなく、さして美男でも…

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永井路子の「氷輪(ひょうりん) 上下」。

★3.7 東大寺が完成し、鑑真が来日した奈良時代の後半を描く。 《上巻は》鑑真が来日してから、東大寺内の唐禅院を離れ、新田部親王邸跡地を賜って弟子たちとともに唐律招堤(僧が戒律を学ぶ私寺の意)を開くまでを描く。政界では藤原仲麻呂が最高位に上る淳仁天皇の即位まで。 戒律とは、授戒とは、5年の講莚(こうえん)とは、天平文化華開く日本の仏教界と唐のそれとの違いを詳述していく。特に唐では仏教は民衆の…

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永井路子の「葛の葉抄 只野真葛ものがたり」。

★3.5 伊達家の藩医・工藤平助の娘・真葛の波乱の生涯。 父・平助は「赤蝦夷(ロシア)風説考(1783年)」を著し、林子平の「海国兵談」の序を書いたが、真葛も「むかしばなし」や「独考」など多くの著作を残している。 父親の関係で伊達家の姫に奥勤めし、姫の輿入れで井伊家へ移ったが婚期を逃した。工藤家の没落(贔屓の田沼の失脚)もあり、2度嫁す(いずれも年の離れた後妻)が男運に恵まれず死別。 国許…

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永井路子の「美貌の女帝」。

★3.3 持統女帝、文武天皇、元明女帝、元正女帝、聖武天皇の時代を元正女帝(氷高)の眼で描いていく。 物語の軸は皇室に食い込み政権を得ようとする藤原氏とそれを阻止しようとする蘇我氏の女系との確執を扱う。 持統(天武の妃)と元明(草壁の妃)および御名部(高市の妃)の3人はいずれも祖父に蘇我倉山田石川麻呂を持ち結束は固いが文武、聖武には藤原氏の娘が・・・。 ここまでは理解できるがあまりに醜い血…