柚月裕子の「検事の信義」を読了した。著者は、2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、検事佐方貞人を主人公としたリーガル小説シリーズの第四作であり、任官四年目から五年目で、米崎地方検察庁に勤務する佐方の、真摯に生きる毎日を描いた連作短編集である。 「裁きを望む」:平成10年12月、佐方は被告人芳賀渉(32歳)の窃盗事件の公判を担当…
このところ 柚月裕子にはまっている。 7月までは この作家のことは全く知らなかっ た。 ネット検索していて たまたま 『孤狼の血』を 見つけ、その面白さに目覚め、立て続けに 『検事の本懐』『検事の死命』『検事の信義』 『最後の証人』『凶犬の眼』『慈雨』と読み続け てきた。 そうしたら 9月に入って BSプレミアムで 千葉雄大主演で 柚月裕子原作『盤上の向日葵』 が 4回連続で…
柚月裕子の「最後の証人」を読了した。著者は、2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、ヤメ検の敏腕弁護士佐方貞人を主人公としたリーガル小説であり、物的証拠と状況証拠の全てが、被告人が犯人であることを示す殺人事件の弁護を引き受けた佐方の、法廷内外での活躍が描かれる。なお本書では、佐方の弁護士としての活動と、七年前に交通事故で一人息子の…
柚月裕子の「凶犬の眼」を読了した。著者は、2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、広島県を舞台としたマル暴刑事と極道との闘いを描いた「孤狼の血」の続編で、中国山地の山間の駐在所に左遷された日岡秀一のその後を描いたアクション小説である。 平成二年、前作で広島県警呉原東署捜査二課暴力団係であった日岡秀一巡査は、亡くなった上司の大上章…
久々の映画館で、戸惑う事ばかり。 チケット売り場に人が居ない。機械化である。 以前は60以上1000円だったのに、55以上1100円になっていた。 飲み物売場に、時間ギリギリまで店員が来ない。 平日とあって客の入りも疎らなシネマコンプレックス。 これで済むんだと納得。 人件費が少なくて済むように、しかも変な事に半券も切らないで、時間が来たらどうぞって感じ。 2016.1.25のオイラの日記に…
柚月裕子の「盤上の向日葵」を読了した。著者は2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、白骨死体とともに埋められていた伝説の名駒の謎を描いたミステリーである。なお、本書では、白骨死体発見事件の捜査と、後述する上条の過去の人生が交互に描かれており、上条が事件に関与していることは明らかなので、倒叙の変形と言える。 物語は、平成六年十二月…
柚月裕子の「合理的にあり得ない-上水流涼子の解明-」を読了した。2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、陰謀に嵌められて弁護士資格を失い、探偵エージェンシーを経営する上水流涼子の活躍を描いた連作短編集である。 本書のヒロインの上水流(かみづる)涼子は、第四話で明かされるが、親の代から顧問弁護士をしていた巨大企業グループのお家騒動…
柚月裕子の「慈雨」を読了した。著者は、2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、かつて幼女誘拐事件の捜査で冤罪発生に関わった元警官の苦悩と再生を描いたものである。 群馬県警を3月に定年退職した元刑事の神場智則は、予定していた警備会社への再就職が一年延期になったため、長年考えて来た四国八十八か所の歩き遍路の旅に出ることに決める。遍路…
柚月裕子の「あしたの君へ」を読了した。著者は、2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、任官間もない見習いの家裁調査官補の研修とその成長を描いた連作短編集である。 主人公の望月大地は家庭裁判所の採用試験に受かり、大学卒業後、九州の架空の福森家庭裁判所で、同期の藤代美由紀、志水貴志ともに調査官補としての研修を開始する。調査官補達は周…
柚月裕子の「孤狼の血」を読了した。著者は、2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は広島県を舞台とし、マル暴刑事と極道との壮絶な闘いを描いたアクション小説である。 物語は、広島県警の刑事に昇格したばかりの日岡秀一が、昭和63年6月13日に広島県呉原東署捜査二課暴力団係に配属されたところから始まる。日岡の直属の上司は部長刑事で班長の大上…