少年が非行に走った理由
柚月裕子の「風に立つ」を読了した。著者は、2008年に「臨床真理」で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、家庭裁判所からの補導委託により非行少年を迎え入れた南部鉄器工房人々の姿を描いた作品である。 物語の舞台は、岩手県盛岡市の南部鉄器工房「清嘉」であり、視点人物は工房を営む小原孝雄の息子で三十八歳、独身の小原悟である。悟の母親の節子は既に他…
柚月裕子の「風に立つ」を読了した。著者は、2008年に「臨床真理」で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、家庭裁判所からの補導委託により非行少年を迎え入れた南部鉄器工房人々の姿を描いた作品である。 物語の舞台は、岩手県盛岡市の南部鉄器工房「清嘉」であり、視点人物は工房を営む小原孝雄の息子で三十八歳、独身の小原悟である。悟の母親の節子は既に他…
柚月裕子の「ふたつの時間、ふたりの自分」を読了した。著者は、2008年に第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、著者がデビューしてから十五年間に様々な媒体に発表したエッセイや受賞記念講演の原稿を収録したものである。 本書を読むと、作品のイメージとは異なり、著者は子供時代は引っ込み思案で物静かだった様である。その原因として著者は、親の転勤により…
柚月裕子の「合理的にあり得ない 2-上水流涼子の究明-」を読了した。2008年に、第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、陰謀に嵌められて弁護士資格を失い、探偵エージェンシーを経営する上水流涼子の活躍を描いたシリーズ第二作のミステリーの連作中編集である。 本書では明示されていないが、本シリーズのヒロインの上水流(かみづる)涼子は、親の代から…
柚月裕子の「教誨」を読了した。著者はミステリー作家で、2008年に第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞して作家デビューしている。本書は、遠縁の死刑囚の身柄引受人として処刑後に遺骨を受け取った主人公が、死刑囚が遺した最後の言葉の謎を追う姿を描いたミステリーである。なお本書では、謎を追う主人公の香純を描いたパートと、処刑された響子の心情を描いたパートが交互に描かれる。 物語は三十三歳の…
柚月裕子の「チョウセンアサガオの咲く夏」を読了した。著者は、2008年に第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、著者のデビュー以来、様々な媒体に収録された短編を集めた、ノンジャンルの短編集である。 「チョウセンアサガオの咲く夏」:代理ミュンヒハウゼン症候群をモティーフとした掌編ミステリー。三津子は病気や怪我の多い手のかかる子供だったが、四十…
柚月裕子の「ミカエルの鼓動」を読了した。著者は、2008年に第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、難病の少年の心臓手術の術式を巡る二人の心臓外科医の対立と、手術支援ロボットに纏わる疑惑を描いた医療サスペンスである。 本書の物語の主人公は、北海道中央大学(北中大)病院循環器第二外科科長兼病院長補佐で四十五歳の西條泰己である。西條は、ロボット支…
柚月裕子の「月下のサクラ」を読了した。著者は、2008年に第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、「森口泉」シリーズの第二作で、友人の殺害事件を切っ掛けに、警察の一般職員から刑事を目指した主人公の姿を描いた警察小説である。 前作において、本書の主人公の森口泉は、東北地方の米崎県の米崎県警広報広聴課県民安全相談係に勤務する一般職員であったが、新…
柚月裕子の「朽ちないサクラ」を読了した。著者は、2008年に第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、警察の怠慢に関するスクープ記事を巡り、その情報元を追及して殺害された新聞記者の親友の死の真相を探る警察の一般職員の女性の姿を描いたミステリーである。 本書の主人公の森口泉は、東北地方の米崎県の米崎県警広報広聴課県民安全相談係に勤務する一般職員で…
1.臨床真理 (2009.01) 2.最後の証人-佐方貞人シリーズ 1- (2010.05) https://smcb.jp/diaries/8032192 3.検事の本懐-佐方貞人シリーズ 2- (2011.11) 4.検事の死命-佐方貞人シリーズ 3- (2013.09) 5.蟻の菜園-アントガーデン- (2014.08) 6.パレートの誤算 (2014.10) 7.朽ちないサクラ-森口…
柚月裕子の「暴虎の牙」を読了した。著者は、2008年に第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューしたミステリー作家である。本書は、広島県を舞台として、マル暴刑事と極道との壮絶な闘いを描いた「孤狼の血」「狂犬の眼」に続く、「孤狼の血」シリーズの完結編である。 本書の物語は、昭和57年6月の広島で始まる。それは、広島県警の刑事日岡秀一が広島県呉原東署捜査二課暴力団係に配属され、ガミ…
柚月裕子 って 好きな作家だ。 この人の新作を新聞広告で見て、久しぶりに新本を二冊も買ってしまった。狂犬の眼 と 暴虎の牙。いずれも 面白かった覚えのある孤狼の血の続編ということだった。 外れというものはあるもので、折角なけなしのお金で新本を買った割には 面白くなかった。 お勧めしません。