「昭和史」の日記一覧

会員以外にも公開

第33番目『日本人の宿題ー歴史探偵、平和を謳う』(半藤一利著)は、いまの日本の人たちは近代日本史をほとんど知らない。これは国家の将来を考えると、わたしは非常にいけないというか、危険な事だと思います。わたしたち日本人とは何かというのは歴史の中に全部出ていますから、と

 「勝利病」のまま突き進んだ日本  わたしは、文芸春秋に入り、最初に担当した作家が、戦後すぐベストセラーになった『連合艦隊の最後』という本をお書きになった伊藤正徳さんという元新聞記者の方でした。 「君、このままこの勉強を続けていきたまえ。大事なことなんだから」 それでわたしは「そうか」と思いまして、そのまま。 ー縦の関係ですね。 これは歴史ですから、ずっと繋がってきているわけです。 日本は旅順…

会員以外にも公開

熱狂の彼方にあるもの

日米開戦80周年ということで、最近これらに関する様々な報道が目立つ。 そのなかでも、NHKはなぜ日本は今にしてみると無謀と思われる日米戦を開始したのか? という問題について、新たな視点も交えた見ごたえのある複数の番組をオンエアしていた。 私はかねてより自分が生まれる前の昭和史について関心があったので、事実関係を丹念に記したもので、著者の主観的な評価があまり入らない本を選んで継続的に読んでいる。…

会員以外にも公開

不要不急の話題Ⅲ キャバレーと社交ダンス

NHK-BS1の番組情報です。 ・BS1スペシャル▽にっぽんディープ紀行昭和を探して~キャバレー遊郭その周辺 ・[BS1] 2021年05月07日 午後9:00 ~ 午後9:49 (49分) キャバレーや戦後の風俗に興味のない方は見る必要がありません! 私たちの年代では「キャバレー」をご存じない方がほとんどでしょう。 私が初めて社交ダンスに触れたとき、10才ほど年上の先輩は、チークダンス…

会員以外にも公開

18、「半藤さんが私たちに残した『宿題』」(保阪正康作)は、実証的に歴史を見る、その道筋を歩いて行こうと

「さようなら、半藤一利さん 半藤さんが私たちに残した「宿題」」 保阪正康作 「文芸春秋」令和3年3月号所収 ー半藤さんは、「成績不良だが、大化けするかもしれない者」として、採用されたという。  半藤さんは「安吾さんから実証的に歴史を見ることの大切さを教えられた」と話していた。  「大海軍記者」と呼ばれた伊藤正徳の担当にもなった。元軍人ら戦争体験者に取材を重ね、それが昭和史研究の道に入るきっかけの…

会員以外にも公開

夕刊記事より

今月21日〔2019年12月21日)に、生誕110年を迎える作家、松本清張

会員以外にも公開

保阪正康著「田中角栄と安倍晋三」を読む(最終回)

「田中角栄と安倍晋三」(昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体) ー「夏の暑い盛りに明治天皇が崩御になりました。その時私は明治の精神が天皇に始まって天皇に終わったような気がしました。最も強く明治の影響を受けた私たちが、その後に生き残っているのは畢竟時勢遅れだと感じ烈しく私の胸を打ちました」(漱石の『こころ』の主人公である先生の言葉)  その明治の精神とはいかなるものか。  江戸時代に培った生活倫理…

会員以外にも公開

保阪正康著「田中角栄と安倍晋三」を読む

「田中角栄と安倍晋三」(昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体)  保阪正康著 朝日新書  2016年6月30日発行 ー5人の特攻隊員を殺した 「命令を聞いたとたん、ある隊員は気絶し、ある人は失禁する。泣き喚く人もいたのです。私はそうした人を5人ほど、出撃させるために飛行機に乗せました」 「5人の搭乗を手伝った自分はさながら死神です」 彼らはまぎれもなく、昭和という時代の犠牲者である。  確固とし…

会員以外にも公開

小説「満州国演義」をようやく読み終えた

 一昨年2月27日に、このような日記をアップした。 https://smcb.jp/diaries/7293546  読み始めの日付が書かれていないが、遅くても1月始めごろだと思うので、2年を超えて読み終えたことになる。「読破」などという言葉は適用されないだろうが、諸般の事情でまとまった時間が確保できず、常にその文庫本を持ち歩いて読み続けた。  東京・霊南坂にあった敷島家の4兄弟が、満州某重…