日本語を教えるボランティアをして数か月になる。教えるといっても日本在住の外国人の話し相手になる程度でテキストも何もない。ZOOMで他愛のない日常会話をするだけだ。 特定の生徒さんがいるわけでもないのだが、気になる外国人が1人いる。インドネシアから来ているという40代位の男性だ。昼はクリーニング店で働いているという。日本に来て3年になるというのだが日本語はかなりたどたどしい。「を」とか「に」…
若い頃に感動した本をもう一度読んでみたい、と 思うが、長編や文庫は目が耐えられない。 ロマンロランの「ジャンクリストフ」、 私の青春がここにあると、言える本。 「魅せられたる魂」もいい。 高橋和己も沢山読んだ。「憂鬱なる党派」 ドストエフスキーも好きだった。 青春というのは特別な時期なんだと思う。 世の中のことをまる…
「冷蔵庫にある豚肉、使わないでね。それ夕飯で使うから。」 「おー、わかった。何時に帰。」 「るんだ?」と言い終わる前にドアは無言のまま、バタンと閉じてしまった。 振り返ると、バツの悪そうな顔をしたワンコが、そそくさとリビングのソファーに帰っていく。 「自分の昼メシに豚肉なんて使うわけがないだろう。」と思いつつも、料理ができる自分を一瞬だけ想像してみる。腕まくりしながら「さ…