「浄土真宗」の日記一覧

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教えを理解するのは難しい

早島教正さんの「正信偈を読む」が届いたので ぱらぱらと読んでみた。 実は親鸞聖人の本は「歎異抄」しか読んだことがなくて、 こうした経典のようなものを読むのは初めてだった。 仏教の神髄は他力だと教わったので、 阿弥陀如来について述べられている こうした本を読んでみようと思ったのだ。 阿弥陀信仰の意味や説明が書かれてあったのだが、 語句が難しかったり、 いろいろな疑問が湧いてきて、 理解し受け…

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印象的な言葉 (自分のためのメモ)

短い印象的な言葉がある。浄土真宗の信仰を得た竹部勝之進という方の詩だ。 「タスカッタヒト」 タスカッテミレバ タスカルコトモイラナカッタ 救いを求めて何千里ではないが、 呻吟しながら悪戦苦闘すること何十年。 ついに真実に目覚めてみると、 なんだ最初から救われているではないかと気がつく。 そんな心境を吐露した詩。 逆説的に聞こえてしまうが、人生のほんとうの 姿は逆説的なことだらけと言っていい…

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マインドフルネスの真意と浄土真宗

他力になったので、自力はもういいや、と ハン氏の本に匙を投げてしまったのだが、 浄土真宗の妙好人伝を並行して読むうち、 ハン氏の説明と浄土真宗の域が結び付いた。 以前同胞の友人から、 禅と浄土真宗は同じところに行き着く との解説を頂いていたのだが、 (マインドフルネスは禅と似ている) 自分で確かめるということをしないまま 来てしまっていた。 今回の件でようやくそれが実感できた。 ハン氏はマイ…

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他力の教え (自分のためのメモ)

鈴木大拙氏の著書に、妙好人の浅原才市のことが触れられている。大拙氏は禅の人であるのに、真宗の信仰をえた妙好人のことをかなり詳しく調べて取り上げている。 真宗入門という書には、 「彼(才市)の職業は下駄の製作でした。・・・才市は下駄を作るときにできる鉋屑を利用しました。なんでも心に浮かんでくるところを鉋屑に書きつけたのです。・・・ 才市は五十歳ぐらいで真宗の信心を確立しました。かれが求道の途につ…

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親鸞聖人に触れた日々

人材銀行から、東本願寺が文化人を求めていると連絡がありました。文化人は私なのかと、思わず問い直したほどです。  とにかく面接をというので、東山浄苑に行きました。出てきたのは東本願寺のご連枝で、天皇陛下の従兄にあたる人物。  大谷暢順(ちょうじゅん)師でした。かくて採用になった私は、車で東山々上に通勤し、大谷師の秘書となりました。  東本願寺は浄土真宗の本山で、開祖は親鸞聖人です。親鸞自身は…

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アミダ仏について

今日本屋さんでウロウロと宗教の棚を見ていたら 鈴木大拙氏の「真宗入門」という本が目に留まった。 大拙氏の書物は難解という印象があったが、 この本は欧米の聴衆に向けて書いたためか、 やさしく書かれていて私にも理解できる。 確か、氏は禅に精通されていたはずなので、 浄土真宗への着眼点は如何なるものかにも興味が湧いた。 また、最近 歎異抄を読んだりして浄土真宗に触れたのだが、 「阿弥陀仏の本願」や…

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お軽さんという妙好人

浄土真宗の妙好人に「お軽さん」という人がいます。 気性の激しさが私に似ているということを 聞いたことがあったのだけど、 ちゃんと調べたことがなかったので、 調べてみることにしました。 ~~~~~~~ 「お軽さん」は 下関いまの山口県に生まれ育った。 子どもの頃から気性の激しい男勝りの性格だったが、 19才のとき10才ほど年上の夫に嫁ぎいだときには 貞淑な妻に変身を遂げた。 しかしそれもつか…

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キリストなしで救い

世の中が「メリークリスマス」と 沸き立つさなかに こんなこといっていいのかわからないけれど、 「キリストなしで救い」 だと思う。 キリスト教では 神と私たちとの間に仲介者が必要だという。 キリストのような弁護人がいて 神さまに謝ってくださらなければ 救われないのだと。 しかし、私は言いたい。 神と私たちの間に仲介者はいらない、と。 競争心や嫉妬心、虚栄心の塊である私、 ひと皮むけば …

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妙好人 三河のおそのさん

考えてみれば、人生はずいぶんと予測不可能で、思いもしないところへも行ってしまう。 人見知りで人前に出るなんて嫌い。研究室のようなところに閉じこもり実験データを取る日々に憧れていた自分だったが、いまやうまいことを言って高い画材を人に売りつけている。 若いころは無神論者だったはずだ。それに対していまは宗教の勉強会を主宰して、これまた人をたぶらかしている。このふれ幅の大きさには本人も驚く。なんとい…

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煩悩即菩提

今年6月に始めた、「仏教通信コース」、 はや19回になった。 今週は、「苦悩の根源」についてだ。 ≪煩悩即菩提≫ ぼんのうそくぼだい という言葉が出てきたが、 鮮明に理解できない。 【大辞林】によれば 一般には煩悩と悟りである菩提とは相対立するものとしてとらえられるが、両者ともその本体は真如なのであり、真理の立場からすれば、煩悩こそがそのまま菩提にほかならないということ。現実肯定的な…

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吉崎御坊跡(道を挟んで建つ東西の本願寺別院)

かつては、一大宗教都市であった福井県あわら市の吉崎を訪ねました。 訪ねた時が、雨模様だったからかもしれませんが、今は、ひっそりとした港町でした。 歴史的背景までは勉強不足ですが、浄土真宗開祖親鸞の何代目かの子孫である連如上人が比叡山からの宗教的迫害を避けるため、さらには北陸での浄土真宗の布教を目的として、ここ吉崎の立地に目をつけられたそうです。たしかに、入江に面した地形ゆえに、陸から敵が攻め…

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『「さとり」ってなんですか?』を読む

書店の店頭で、変な表題の新刊本を見つけた。 『おしえてお坊さん!「さとり」ってなんですか?』 こんな表題。 著者は若い女性のようだ。 最初、また癒やしだとかヒーリングの あるいは、あなたは幸せになれる系の 軽い本だと思い、フンという感じだった。 2度目に書棚にその本を見かけたとき、手に取ってみて、 パラパラと眺めてみた。 どうも軽い本ではないようだ。 著者は32歳の仏教女子という言い方で表現さ…

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ふかく了解した人は

妙好人とは、浄土真宗の信仰をふかく会得した、在家の方である。先日、三河のおそのさんという妙好人の言動を知る機会があり、そのこころに感銘を受けた。 おそのさんは、農家の出身で、鈴木玄通という藩主お抱えの医師の家に女中奉公をしていた。玄通の奥方が亡くなり、このおそのさんが、後添えとしてもらわれた。 百姓の娘が藩医の奥様として格式の高い家に入ったので、ずいぶんと見下げられ苦労したとのことだ。 しか…