冬月や奈良に寺浮きまた沈み 中村安伸 外燈のみな俯ける冬月夜 徳永真弓 冬月や窓辺に寄って語り掛け アロマ コーヒーをあの冬月のために挽く 前川明子 鐘楼の最大級に冬月射す 工藤はるみ 冬月の満ちて艶増す建立碑 甲州千草 帰りし子冬の満月見しと言う アロマ くみ置きの水に冬月あかりかな 荒井和昭 冬月や波ひびく崖登り切る 池部久…
まんさくの黄の奔放に繊細に 山田弘子 まんさくや村の真中に駐在所 辻芳子 まんさくの花びら奔放に舞う アロマ なきやうであるまんさくの黄の秩序 山田弘子 旅立ちのはじめまんさく明りかな 麻生圭佑子 まんさくや比企丘陵の水明り 石田邦子 まんさくのほころびそめし風の中 外川玲子 まんさくや藁屋根滅りし米どころ 青木美佐子 庭園に…
煮凝りや封じ込めたる絵空事 鈴鹿呂仁 煮凝やぷるんと星座盛り上る 白澤良子 煮凝や漁師町なる我が生家 中川悦子 煮凝の出番はなくてピザ届く 宇垣みきえ 鍋底に煮凝りを見てほくそ笑む アロマ 朝餉にて夫と煮凝り分ち合ふ 中川悦子 煮凝の舌に崩るる香りかな 稲畑廣太郎 煮凝のぷるぷるをまづ頂きぬ 鈴木榮子 箸すべる煮凝に透き幼き日 …
《風邪気味が少し治り ネットをしている 南高梅のお握りや ナポリタンのパスタが美味しい》 葉牡丹に等高線のありにけり 箕輪カオル 葉牡丹や遠くの道を郵便夫 深見けん二 正月の飾りや葉牡丹鉢植えに アロマ 葉牡丹の揃ふ茎立ち駅広場 森清堯 鉄棒と葉牡丹暮るる公園に 渡邉孝彦 雨ふふみやさしくなりぬ冬の月 子安教子 川浅きところせせらぎ冬…