「知らぬが半兵衛」の日記一覧

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藤井邦夫 の 守り神-新・知らぬが半兵衛手控帖(20)

★3.3   新シリーズ20作目。 「首十両」はこのところ毎回登場する〈隙間風の五郎八〉の危機。 廻り髪結の房吉から「五郎八の首は10両、居場所は5両」という裏渡世へ触れが回っていると聞いた半兵衛は、何とか助けてやろうとする。当然ながら、鳥越明神裏の小さな塒には帰っていない。 東浅草聖天町の聖天一家の政五郎から出所は薬研堀の百蔵という両国広小路の地回りだと知る。この百蔵が三味線堀の…

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藤井邦夫 の 「出戻り-新・知らぬが半兵衛手控帖(19)」

★3.3 新シリーズ19作目。 最近は老盗人の「隙間風の五郎八」がよく登場する。「脅し文」では投げ文に書かれた同業の〈夜狐の長次郎〉に関する話。「目利き」では有名な刀剣などの盗みを専門とする盗人探索にからむ。 「出戻り」では半兵衛が助っ人に頼んだ柳橋の弥平次の船頭・勇次が活躍する。犯人の舟による逃走を予期した半兵衛によるもの。 「手遅れ」のテーマは不在証明(アリバイ)を覆す話。殺人…

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藤井邦夫 の 律義者-新・知らぬが半兵衛手控帖(17)

★3.3 新シリーズ17作目。 表紙は実質の妻子がありながら、実家の都合で旗本家へ養子に入る男の図。この話、最近どこかで読んだ、結末が読めて残念。 「強請屋」では前作の〈隙間風の五郎八〉また登場して活躍する。北町奉行所前で半兵衛を待っていると、大久保忠左衛門の遊び心で与力部屋へ連れていかれる。 今回は、神楽坂や小日向など今までにない土地が登場する。臨時廻り同心がゆえにテリトリー無し…

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藤井邦夫 の 隙間風-新・知らぬが半兵衛手控帖(16)

★3.3 新シリーズ16作目。表紙は隙間風の五郎八が旗本屋敷に忍び込もうとしている図。 廻り髪結の房吉の話から勘定奉行所の土地払い下げ事件へ繋がる「笑う女」、市中廻りから怪しい男を追い、毒薬による殺害未遂と繋がる「隙間風」、「流れ者」も房吉の話が飾り職人の入札に関わる殺人事件に繋がる話、「走野老(はしりどころ)」は吟味与力の大久保忠左衛門の依頼による乱心事件である。今回、初めて走野老という…