藤井邦夫 の 律義者-新・知らぬが半兵衛手控帖(17)

★3.3 新シリーズ17作目。
表紙は実質の妻子がありながら、実家の都合で旗本家へ養子に入る男の図。この話、最近どこかで読んだ、結末が読めて残念。

「強請屋」では前作の〈隙間風の五郎八〉また登場して活躍する。北町奉行所前で半兵衛を待っていると、大久保忠左衛門の遊び心で与力部屋へ連れていかれる。

今回は、神楽坂や小日向など今までにない土地が登場する。臨時廻り同心がゆえにテリトリー無しの設定か。

「浜町堀」は南町が扱った事件を蒸し返す話。南町の同役である臨時廻り山崎一学を腐す話も珍しい。「その内、秋山さまが引導渡すだろう」とさえ言うのだ。