花の屑風が構図を変へてをり 大橋俊彦 透き通るまで花屑の雨に濡れ 宮津昭彦 花屑や風の姿に散り惑う アロマ 鯉覚めて花屑動きはじめけり 稲畑汀子 花屑の駆け出す風の石畳 灘秀子 花屑のあとさきとなり流れけり 荒川清司 城下町花屑流れ舞い散って アロマ 吹き溜る花屑美しやさくら色 坂上香奈 終焉の地に花屑の嵩たかし 服部早苗 …
残花とて散る一片も惜しまるる 石垣幸子 味噌汁の匂ひ戻りぬ残花道 大井邦子 朝食のポタージュ甘し花の後 アロマ 花屑を雨に沈めし吉野山 稲畑汀子 花屑の雨乾きゆく軽さかな 稲畑汀子 ハチ公の像に花屑散り止まず 門脇山卯 大仏の裾にまつはる花の屑 内藤八重 花屑の上へ名残の花莚 木暮陶句郎 花の屑 小川の流れ緩やかに アロマ 花…
菜の花やバイクで駆くる島の婆 中真靖郎 郵便夫バイクを停める赤のまま 町田一雄 バイク便自由自在に走りゆく アロマ すかんぽやコトコト郵便バイク来る 槫沼けい一 バイク音して郵便が来たらしい アロマ 五月来るバイクは風となりにけり 西村妙子 水着被し男女相乗りバイク走す 山口誓子 のりすての自転車橋に鰯雲 松本てるえ 泳ぎゐし裸自転車にて帰る …
くれ涼し大路にならふ金魚売 金魚 正岡子規 こがらしや大路に鶏のかいすくみ 加舎白雄 そのむかし竹藪なりし花大路 飴山實 花浴び 鎌倉の若宮大路に白い風 アロマ たむろして春日大路の春の鹿 白井常雄 ねぶた果て疲れし大路現はるる 岸田稚魚 バスを待ち大路の春をうたがはず 石田 波郷 まつり後の無人の大路寒鴉 伊藤いと子 リラ冷えといふを大路に…
いにしへの女人の歎き萩こぼれ 伊藤敬子 いのちなり白萩落花掬ふべき 河野多希女 月沙漠 いぼむしり萩をこぼしてむき直り 清原枴童 枴童句集 いま刈りし萩の束ね香かろきかな 星野麦丘人 うき旅や萩の枝末の雨を踏 蕪村遺稿 秋 うれしさの萩よ芒よ挿されけり 中尾白雨 中尾白雨句集 おとづるる誰もが言ひぬ門の萩 及川 貞 おとろへし父の酒量や萩白し 福…
ああ萩の野空を翔りゐたりし夢 三橋鷹女 あえぎあえぎ登って見るや萩すゝき 正岡子規 萩 あきらかに人の声する雨の萩 飴山實 少長集 あへて焚く日は定めずも萩を刈る 高浜年尾 あやかりて嬉々とわが家の萩までも 後藤比奈夫 あらし白萩、巖に砕け散る白波か 荻原井泉水 あるものの萩鳳仙花初あらし 山口青邨 ある日ひとり萩括ることしてをりぬ 安住敦 ある…