さんが書いた連載花の日記一覧

会員以外にも公開

「盆花」

オニユリともう一つ、今咲いている花がある。故郷に咲いていたボンバナ(盆花)。この二つがリビングの窓から見える。 すっと伸びた細い茎の先に棒状に咲く。色は濃いピンク色。紫色に近い。派手さはない。むしろ地味だ。 少しくらいの風にはびくともしない。風に立ち向かうのではなく、逆らわずしなやかに吹かれている。 去年ホームセンターで売れ残っていた二鉢を見掛け、迷わず買い求めたのは故郷に直結…

会員以外にも公開

「オニユリが咲いた」

風が強い。 せっかく咲いたオニユリが傾いている。 他の鉢に使っていた支柱を引き抜き、蕾を落とさないよう、葉を傷付けないよう、鉢に挿した。 大輪の百合は何本も枯らしてしまった(調べたら肥料のやり過ぎ)が、オニユリは全て無傷だった。 去年の夏あちこちで見掛け、気になって仕方なかったたオレンジ色のユリ。猛暑に咲き続け、そこだけ山の中を思わせた。 懐かしい故郷の花。 それが今…

会員以外にも公開

「百合」

こんな色だったのか。ピンク色がぼやけている。 地植えにしたオレンジ色は、庭に咲かせておくだけでは物足りなくてホームに持って行った。オレンジ色が鮮やかで茎全体が瑞々しかった。 鉢植えは色もボヤケているし形もいびつだ。花屋で売られている花がいかに厳選されたものなのかを思う。売り物にならない花が沢山あるのだ。 せっかく蕾が付いた頃、小さな虫が付いたり、先端が黒く枯れてきたり、せっかく…

会員以外にも公開

「紫陽花」

大きなオランダの風車が見えて来た。 印旛沼の畔にある『佐倉ふるさと広場』はチューリップで有名だが、何処にも花壇はなく、水を張った田圃が広がっていた。 稲の苗が水に沈みそうだ。ここも先日の台風で、大量の雨が降ったのだろう。 湖の畔に思いがけなく車が沢山停まっている。流線型のヘルメットを被り、肌に吸い付くウェアを着た人達が颯爽とサイクリングロードを走っている。 車の脇には室外…

会員以外にも公開

「夏の花壇」

タイマツソウが咲いた。この花は蕾の時にはダイヤモンドのように所々光っているが、花が開くと普通の赤い花になってしまう。宿根草で毎年出て来る。 夏が異常に暑い。異常が当たり前になっている。花壇は2階のベランダから垂らした遮光シートで直射日光は遮っているが、それでも日中の温度は大変なものだ。 家を空ける事が多いので小さな鉢は処分し、山野草の何鉢かは室内に入れるようにしていた。 ハ…

会員以外にも公開

「蜻蛉」

スカシユリが咲いた。白とピンク色がいい感じにバランスをとっている。一本の茎に一輪。地上4~50センチと小さいが、存在感がある。 オレンジ色の百合も緑の中に鮮やかに咲いた。こちらは一本の茎に10個の蕾がある。茎は太く、実に力強い。 水槽には土と水を入れ、菖蒲が植えてある。期待していなかったのに蕾が3本程膨らんで来て、毎朝楽しみにしていた。 今朝見るとトンボが留まっている。虫の上に…

会員以外にも公開

「昨日より10度以上寒い」;大菩薩嶺①

昨日は蒸し暑かった。室温は26度くらいだったが湿度は60%台。仕事していても体がダルくて仕方なかった。 今日の天気予報は雨。気温が10度以上も下がる。出掛ける時の天気は雨と諦めた。 庭の植物に水やりをしなくていいのは助かるが、百合がどうも思わしくない。 5~60センチにもなっていたのに下の葉から枯れてしまったり、先端部分に細かい虫のようなものが付いたもの、茎そのものが枯れてしま…

会員以外にも公開

「応援団」

なかなか芽を出さなかった食用ユリがグングン伸び、テッポウユリやオリエンタルリリイと肩を並べるまでになった。 玄関周りには10鉢くらい、リビング外にも同じくらいあるから、もし上手く咲いたら念願の「ユリ館」になる。 ところが心は弾まない。特にリビング外にある花達にときめかない。 景色が一変したのだ。隣の家がない。住んでいた若夫婦が家を売り東京に引っ越した。更地になるとウチの庭が剥き…

会員以外にも公開

「薔薇が咲いた」

仕事から帰り玄関に荷物を置くとまた外に出た。いや、その前に台所に行き缶ビールを開けて一口飲んだ。 先ずは水やりだ。日当たりの悪い我が家で、一番長く日が当たる場所に薔薇の鉢を移動したら、去年よりずっと沢山蕾を付けた。 去年は京成バラ園で教わった通りに毎月薔薇用の肥料をやり、消毒もしたが、2~3輪しか咲かなかった。 鮮やかな黄色と混じりっけなしの赤。赤は名前をノックアウトという。病…

会員以外にも公開

「隅田の花火」

「隅田の花火」は大きな花びら(正式にはガク)が小さな粒々の花を取り囲み、夜空に咲いた花火のような紫陽花だ。 紫陽花は「隅田の花火」に限らず、挿し木で簡単に増える。この品種が横浜の民家で見つかり、その一本の木から増やしていったというのも頷ける。 しかも、花も直ぐに咲く。去年挿し木したら今年咲いた。だが、買った時のように綺麗な円形の花火にはならなかった。 この花はガクアジサイの…

会員以外にも公開

「ウツギの花を夢と摘む」

帰宅したらイカリソウが迎えてくれる。幸い上野から電車に乗り、娘宅からはバイクで運んでもほぼ無傷だった。 昨日は雨が降っていたから傘を差していた。向こうから歩いて来る人にぶつからないよう細心の注意を払う。 若いお父さんは傘を差してスマホを見ながら歩いている。後ろにウチの5歳のお兄ちゃんと同い年くらいの男の子と、それより小さな男の子がそれぞれ傘を差して続く。3人バラバラだ。 信…

会員以外にも公開

「大金を持って電車に乗った」

自然に笑みが溢れる。私は大金を持っているのだ、と思っていたのは「グリーンクラブ」に着くまでだった。 いつも出入り自由な場所が門扉で閉まっている。正面玄関からしか入れない。受付に女性がいて入場料500円を徴収している。私は山野草を買いに来ただけだが、そこを通過しないと売り場に行けない。 直ぐそこに盆栽展のポスターにあるウン千万円してもおかしくない大きな盆栽が飾られている。枯れた白い…

会員以外にも公開

「矢車草が芽を出した」

コンクリートブロックと家の土台の間に、数センチの隙間がある。そこにこぼれ種から発芽したクリスマスローズがひょろひょろ伸びていた。 この花は冬に咲いてくれる有り難い花だが、花の色が緑色や紫色で目立たない上に、繁殖力が強く何処にでも出て来て、貴重さに欠ける。 引っこ抜こうかとも思ったが、その生命力ゆえ捨てるに忍びない。掘り上げて鉢植えにしてやろう。 手で引っ張ったら切れてしまう。シ…

会員以外にも公開

「図書館よりグリーンクラブ」

上野に行った。『グリーンクラブ』がある。山野草の専門店。不忍池の直ぐ側にあり、池をぐるっと歩く形になる。 えっ?、またもや、外国人。視界の半分以上が一目で外国人と分かる白人系の外国人だ。 不忍池にはアヒルボートが沢山浮かんでいる。平日の午前中。ぽかぽか陽気。漕いでいるのはほぼ100%外国人。池の畔には八重桜が満開。ポーズを取っているのも白人の女性。 さて、『グリーンクラブ』。あ…

会員以外にも公開

「記憶は当てにならない」:ハッカクレンの花

咲いたのか、これで?これがハッカクレンの花?どうしたんだろう、先祖返りで変化したとか? 下にスマホを置き、裏表反対にして撮った。きっと花の中は宝石なんだろうと思ったが、赤紫色の千切れたような花びらの中はよく分からなかった。 スマホ様はこの赤紫色の花がハッカクレンの花だという。去年の花は白い宝石のようだった。(『最高の気分』https://smcb.jp/diaries/8767436…

会員以外にも公開

「私一人の世界に」

いつの間にか我が家のある市に入っている。そうか、県境ならぬ市の境で切り替わるのだ。 帰りが遅くなると娘から連絡が来ていた。弟クンに夕食を食べさせ始めた頃、娘とお兄ちゃんが帰って来た。私は弟クンの一日の様子は体調から食事や排便などをラインで娘に送っている。お昼寝したら写真付きだ。手短に弟クンの様子を娘に伝え、直ぐに娘宅を出た。 土曜日は慣らし保育なしなので、丸々一日2歳の弟クンと過…

会員以外にも公開

「にゅうえんしき」

黒っぽいフォーマルウェアを着た女性が二人いる。奥からベビーカーを押す若い男性と女性。こちらもきちんとした身なりだ。 見ると門の処に大きな看板。「にゅうえんしき」と平仮名で書いてある。 「おめでとうございます」 思わず声を掛ける。若いママもニコニコしている。私は2歳の孫を抱っこしていた。 「この子も月曜日から新しい保育園なんです」 セブンイレブンにお昼ごはんを買いに来たのだが…

会員以外にも公開

「手間いらずの花壇作りに」

メインにはなれないが、毎年出て来る草花も可愛らしい。 筆頭はアジュガ。和名ジュウニヒトエ。十二単を着た女性のように、花が何層にも棒状に咲く。濃い紫色がいい。手間いらずで繁殖力が強く簡単に増えて行く。 次は苧環(オダマキ)。宿根草で年と共に大株になるし、こぼれ種で簡単に増えて行く。花は紫色から白のグラデーションで下向きに咲く。 サクラソウや忘れな草も可愛らしい。こちらもこぼれ種で…

会員以外にも公開

「石楠花に会いに」

玄関先の石楠花に迎えられる。娘宅訪問一泊では思った程には咲いていなかった。かなり寒かったからだが、待っていてくれたようで嬉しい。 満開よりこの程度がいい。蕾は濃いピンク色で、開いた数輪が蕾の濃さを際立たせる。 石楠花は山に多い。石楠花と言えば国師岳。去年行き、全山石楠花の、木で組んだ階段を歩いた。(『年齢って何だろうと時々思う』https://smcb.jp/diaries/8855…